謳歌、黄昏時
自覚とか、理解とか、余裕とか。
そんなものはもう無かった。
ただ、犬夜叉だけが愛しくて、他に何も要らないなんて思う事は珍しくなくなってきていた。
皆大事だけれど、それとはまた違うところで、犬夜叉の事、私は好きなんだなって。なのに、どうして何も返してくれないのなんて、思いもしなかったけれど問われた。
『お前は、何で俺を責めない?』
責める?
何を責めなくちゃいけないの?
私はただ、貴方の傍に、離れる時になれば余計に辛くなる事を承知で居るだけ。それ以外に、何か望むものがあるの?
・・・そりゃぁ、犬夜叉が桔梗の所に行く度、心臓が、そのまま止まってしまいそうなくらい、胸が苦しくなることだってあるけれど、だからって、犬夜叉がそれを気にする必要なんてないのよ?
『責める必要ないじゃない。私は好きで此処に居るだけだもの』
犬夜叉の表情が苦痛のように歪む。
そして私は胸の奥で、何か小さな針がココロを射抜く感覚を覚えて無性に泣きたくなった。
だけど、ぐっと堪えて笑顔を犬夜叉に向けた。ちゃんと笑えていたかは分かんない。ただ犬夜叉の腕が私の身体を抱き締めて。刹那に揺れた狂おしいその瞳が私の眼に焼きついて。離れない。
『お前が、何処にも行かないように、俺以外を想う事が出来ないようにしちまいたい』
我侭な犬夜叉の言葉を私は受け止められる事が出来ない。受け止めたいけれど、それが赦される筈がないと、理解しているから。
犬夜叉も、私も。
でもただ今だけは・・・・
『今だけは、私の犬夜叉になって?』
首を横に振ってそう伝える。
お互いの心音すら感じる近距離で、私は犬夜叉の瞳を見つめた。そこに映るのは私。
だけど・・・・
そっと、犬夜叉の頬に手を添えた。
ここに、『あの女【ひと】』が映るその日まででも構わないから、お願い一秒でも多くその瞳に私を映して下さい。
貪欲で我侭な私の、たった一つだけの、焦がれて止まない切なる願い。
1月・・・何日だっけ?(いい加減)
両思いなのにすれ違いまくるのが犬かごの醍醐味だと思います(最悪)
要するに二人とも天然ボケなので自分のことになるとめっちゃ鈍いってことで。
かごめちゃんSIDEでした。
表裏のこころ
ただ確証が欲しかっただけ。
かごめが、俺のものには絶対にならないのを理解していても、心だけは悲鳴を上げるように否定し続けていることに気付いていたから。
ただかごめに触れていれば、落ち着いていられたし、そんなものなくたって安心していられた。
思い立ったのは突発的で、衝動的な本能にも似通った情動。抗い難い睡魔みたいに、逃れられない罪悪感みたいに、心の片隅に巣食う感情。
誰に感じるかと聞かれたら、今はかごめにだけ。そして誰よりもそう思っているからこそ花を手折って汚す事は俺自身でも赦せない事だった。
情動は俺に囁き掛ける。
『こんな近くにいるのに得られないって分かってて、それでもお前はアイツに手を出さないのか』
ふっと嘲って俺はそれを感情の底に消し去った。何度となく繰り返してきたそれは今では日課のようなもの。己の中の小さな本能の戯言なんて聞いてやるものか。かごめは渡さない。俺の体で好き勝手されてたまるものか。俺はアイツが言ってくれた今のままの俺が好きって言葉、信じてるから辛くはないんだ。
別離の瞬間を考えると思わずかごめを動けなくなるくらいに愛してしまいたいと願うこともあるけれど。
俺の視線に気がついて、愛らしい笑いを向けてくるかごめが酷く愛おしい。
笑った顔、怒った顔、泣いた顔、拗ねた顔、切なそうな顔。
くるくる目まぐるしく変わっていくそれは今でも俺を魅了し続けるから。俺は俺の獣をねじ伏せて、出来れば永遠に出てこれないようにしたいと希う。
それは限りなく純粋で届かない場所にいる女に尋常じゃないくらい奪われてしまった激しい激情を誰にも見られない為なのだから――。
2月20日記。
妖怪犬夜叉→かごめ←半妖犬夜叉。
詳しく云うと半妖犬夜叉vかごめ←妖怪犬夜叉。
私破壊願望とか否定する気はないけれど死によって結ばれる愛は大嫌い。
ってわけで死にネタ好きって言ってる人には悪いけど私は絶対書きません。不安にはさせるが(鬼畜)。
死んでまで結ばれたくない。結ばれてほしくない。
死んで必ず一緒の場所に逝ける保障なんてどこにもないし、生きている間が花だと思うので。
生死に関しては絶対私真剣ですよ。たとえどんなシュチュエーションが書きたかろうと絶対に出来心でそんなもの書くほど命を軽んじた覚えはないので(書いてる人が全てそうではないだろうけど、どっか軽く見てる気がする)
同じ理由で行きずりの人と合意なしのえっちとかも大嫌いです。
てか話聞いただけで吐き気するし、フィクション話でもキレます。ただでさえそういうの嫌いなのに合意も何もない無理強いなんて絶対見たくないですし。やるなら合意なりの愛あるえっちぃの!!(大声で主張すな稚女かお前)
以上。
無題。(日記)
「好き?」
主語のない問いかけに、彼は少しの間固まった。
意味が完全に浸透するのに約10数秒。犬夜叉は目の前できょとんと首を傾げたまま自分の答えを待つ少女をふわりと抱すくめて笑った。
「あぁ」
「どれくらい?」
「・・・お前が俺に感じてるよりずっと」
かごめは頬を膨らませた。
「私の方が上だもん」
「んなもんで張り合ってどーすんだよ」
「でも私の方が上!」
「〜あーもう、分かったって」
少女が膨れっ面のまま、犬夜叉の胸板をぱたぱたと殴った。
蚊に刺されるよりも効果のない可愛らしい抵抗を止めて、犬夜叉はかごめの髪に顔を埋めて相好を崩した。
それは少女の体制では見ることの出来ない表情だが、雰囲気ででも伝わったのだろうか。
かごめも嬉しそうに笑むと水干の着物に頬を摺り寄せた。
ひらり。
桃色の花弁が、少女の黒髪にふわりと纏わり付いた。
それが何となく気に喰わなくて、犬夜叉はそれを払い除けた。
「犬夜叉?」
感覚で気付いたらしいかごめが腕の中で首を傾げる。
少年は首を軽く横に振って暗に何でもないと告げて、少女の額に唇を落とす。
突然のそれに、かごめは呆けたが次第に頬が薄く林檎色に染まった。
「犬夜叉」
「ん?」
「犬夜叉」
「・・・んだよ」
「犬夜叉、犬夜叉」
形を持たない単語を発しながら、かごめの指先はゆっくりと言霊の念珠を辿る。
ひらり。
また、花弁がかごめの黒髪を撫でていく。犬夜叉はさりげなく、かごめの頭の後ろで花弁を払い除けた。しかし間髪入れず花弁は振って来た。しかも今度はかごめの唇の上だ。
驚いて花弁を取ると、かごめは犬夜叉の態度に気付いた。
(何か落ち着かねぇ・・・・)
「犬夜叉?」
それを見てムカっとしたのが自分で恥ずかしくなったりして。
不思議そうな視線を向けるかごめが可愛らしいなんて末期的なことを思ってしまったりして。
とりあえず。
「・・・いーからちょっと黙ってろ」
照れで赤くなったそれを隠すように、ぎゅっと抱き締める力を強めた。
舞い散る桃色の花は、未だ風に揺らいで季節の変わりを知らせ続けていた――――。
4月12日記?(また曖昧だよコイツ)何となく感覚だけで書いてた。春=桜?みたいな安直なイメージで。
桜って舞い散る瞬間は儚くて綺麗です。やっぱ一時しかない美しさって惹かれるよねv(今誰の事考えたよ)
え!?べべべ別にかごめちゃんとか犬夜叉のこと考えた訳ではなく!!ましてエドや大佐もそうだよねなんて考えてるわけでもなく!!ぶっちゃけアルはあのままでもいいじゃんとか思ってるのでもなく!!(めっちゃ言ってるよ)
・・・・・・アルは元に戻って幸せになってほしいけれど半面、鎧バージョンのアルも好きなのです(吐血)。
話がズレすぎてます、はい。
犬夜叉 独白。
どうせだったら、贈り物より本人が欲しい
とは
たとえ本音でも言わない
言ってしまったら、少女が悲しそうに泣くのを知っているから
『彼の人が可哀想』だと、だから自分は放っておいていいと
そんなこと、余計にできなくなるのにも気付かずに、綺麗な涙を伝わせる。
だけれど、本当は、言いたくて仕方がないんだ。
だから
「はい、あげる」
そう言って、手の差し伸べる“そいつ”に、自分にとっては果てしなく珍しい笑顔で
「ありがとな」
微笑ってやって、手の甲に口付けを落とす。
暫く恥ずかしがって、顔を合わせてくれないけど
愛さえ伝わっていれば問題ないんだ。
馬鹿みたいに、愛している人へ。最大の愛情と、少しの罪悪感をこめて。
そういえば、今『あいつ』は何処を彷徨っているのだろう、なんて。少女のために、少しばかり考えることにした。
8/25記。自分でやっといてなんですが、この犬ムカつく。
目指したのは、知らない筈なのに動作が無意識王子様。どうやらそれだけは成功?(笑)